小秀山に登ってきました

2012年10月15日

ようやく紅葉の見頃は標高を下げてきました。
中津川市北部にある小秀山は、標高が2000m近くあるため頂上付近の紅葉が見頃を迎えていました。
小秀山は標高1981.7m。日本200名山(岐阜100名山)で、岐阜県と長野県の県境に位置しています。頂上からは間近に御嶽山を眺め、新築された避難小屋もあり、ほとんどの人が日帰りしますが1泊山行も可能です。テント場はありません。
登山の平均所要時間は8時間。休憩を入れて9時間はかかる長時間山行です。

登山口は下呂市から257号線を中津川市加子母へ。舞台峠を越えてすぐ左へ、乙女渓谷に向かいます。
キャンプ場にある駐車場に車を止めて、管理棟横から二ノ谷へ入山しました。
ほとんどの登山者は二ノ谷から入り、三ノ谷を下山します。なぜなら二ノ谷ルートの途中に「カモシカ渡り」と呼ばれる初級者レベルのクライミング技術を必要とする難所があり、登るより下りるほうが危険だからです。

二ノ谷ルートは途中まで渓流沿いに木道が設置された遊歩道を歩いて行きます。
木道は濡れていると滑りやすいですが、乾いていれば登山装備がなくても歩けます。
小秀山に登ってきました
渓流沿いの木々の紅葉はほとんど始まっていませんでした。
遊歩道の終点は「夫婦滝」。間近に見られるのは夫滝だけで、その落差約70m。
小秀山に登ってきました

夫婦滝から先は、いきなり足下の悪い急な登りになります。
斜面を巻くように夫滝の上を通過し、さらに子滝、孫滝と登って行きます。
孫滝からは二ノ谷と分かれ、左手の斜面を登り尾根へと上がります。
尾根上には巨大な岩が次々と現れ、その脇を通り抜けていくと「カモシカ渡り」に到着します。
小秀山に登ってきました
これはカモシカ渡りを横から眺めたもの。右に回ると登り口があります。
真下から見上げると、ほぼ垂直に近い岩山に木の根がまとわりつき足がかりになっています。
5mほど登ると足場があり、そこに立って上を見上げました。
小秀山に登ってきました
足がかりとなる木の根が少なくなり、さらにその上に見える岩に根はからんでいません。
三段目からは完全なロッククライミング。自分は2度目でしたが、それでも足の置き場に迷い、腕力に頼ることとなりました。ほぼ垂直なので上から見たら、足がかりを探すのは大変だと思います。以前ここを下ろうとする若者に会い、聞いてみると地元加子母の人で何度も登り足場の位置を熟知しているとのことでした。

カモシカ渡りはその先も何度か岩を上がり、左右の切れ落ちた細尾根を歩いて行きます。
10分ほど進むと三ノ谷ルートの分岐に到着。ここで一息入れるといいでしょう。休憩適地の標識も立っています。
次のピークは「カブト岩」標高1880mです。
小秀山に登ってきました
木々の上にちょこんと岩が見えていました。

視界が開けてくるとカブト岩の直下です。回り込むように岩場を上がるとカブト岩のピークに到着。登山口から約980m登ってきました。
ここに登ると初めて御嶽山が見えてきます。
小秀山に登ってきました

振り返れば白草山も見えています。
小秀山に登ってきました
白草山は頂上避難小屋の窓を開けると見えますが、頂上からは見えません。
カブト岩が白草山が最も良く見える場所と言えるでしょう。

カブト岩を下るとなだらかな稜線歩きが始まります。カブト岩のピークを振り返ると
小秀山に登ってきました
このあたりからサラサドウダンが美しく色づいていました。
南方の山並みが見える展望台に続き、阿寺三山のひとつ唐塩山への分岐点を過ぎると第一高原。ここから目指す小秀山が見えてきます。
さらに小ピークのアップダウンを続けていくと第二、第三高原に至り、ようやく最後の登りに。
小秀山に登ってきました
笹の緑の斜面に点在するサラサドウダンの紅葉が、独特の風景を見せていました。

登りきると避難小屋があります。そこから頂上はすぐそこ。
小秀山に登ってきました
休憩を入れて約4時間半で到着しました。
頂上の御嶽側に展望台があります。岩の出っ張りに立つので落ちないように気をつけましょう。
そこからの眺め。目の前に御嶽山。
小秀山に登ってきました

右に目を移せば中央アルプス。なかでも存在感があるのは木曽駒ヶ岳。
小秀山に登ってきました
山座同定のパネルが設置されているので見比べてみます。
地元加子母の有志の方々で組織されている加子母スカイウォーカーズにより、避難小屋を始めとした施設が維持されているそうです。
小秀山の最新情報はスカイウォーカーズのブログで。


下山は三ノ谷分岐から三ノ谷ルートへ。
こちらの登山道は危険箇所はなく安全ですが、二ノ谷ルートのような変化はなく面白みはありません。しかし登山後半の疲れた状態には、こうした安全な道がいいと思います。
下山口に到着した後は少し長い林道歩き。橋を渡ればキャンプ場はもうすぐです。
標高差約1010m、下山には約3時間かかかりました。
なおキャンプ場のトイレに紙は用意されていませんでした。途中のコンビニか、乙女渓谷へ行く分かれ道を過ぎて1kmほど先にある公衆トイレを利用するといいでしょう。
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Posted by 廣田 豊 at 21:42│Comments(0)登山
 
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